2018/08/23

016. スキー雑談…その2(エッジング・角付け)

今日は【エッジング(角付け)】について…


エッジングを考える時は2つの重要な点があると思っています。

1つ目は、【雪面にエッジを食い込ませエッジを使いこなす技術】
これは言い換えると、まず覚えなければならない大前提の技術と言えるかもしれません。
エッジングとはこういう風にやるんだ、こういう風に足に圧がかかるんだ、脚指も使えるんだ、こんなことまで出来るんだ、と身体に覚え込ませなければいけないもので、エッジングの基本技術です。

2つ目は、【様々な雪面状況でエッジング技術を駆使する技術】
これは、覚えたエッジング技術をあらゆる雪面で応用していく技術と言えます。
エッジングの全てを知った上で、雪面状況に応じた的確なエッジング動作が出来るかどうか、またはその技術をしっかりと使えるように習熟度を上げる段階です。もちろんアイスバーンのような斜面、急斜面などでも習熟度をあげる必要があります。
身体に覚え込んだ基本技術を様々な場面に応用していく技術です。

この2つの技術はどちらが欠けても効果的なエッジングが出来ないのはもちろんですが、大事なのは1つ目の基本技術を子供のうちにしっかりとマスターしておくことです。子供のうちに体に染み込ませることで応用場面で本能的に技術を使うことが出来るようになると思います。


また、これは全てのスキル習得について言える事ですが“体で覚えるまで練習をする事”が何よりも大事です。
「成功する練習の法則」にも書かれているように、細分化したスキルを体に染み込ませるまで習得することで初めてそれらスキルを統合した瞬間的な動作が可能になるのだと思います。頭で考えながら滑ることは上達を目指す上でたしかに重要です。ですが、頭で滑っている限りは瞬間的なスキルの統合作用は絶対に生まれません。限られた刹那の間に反射的に動作を起こすには頭で考えていては遅すぎるからです。
そして次に大事なのは、ターン運動を体で自然に感じるようになること。脚の筋肉を緊張させて…、腰に力を入れて…、手をこうして…とかそういう外形的なことはあまり大事ではありません。大事なのは一連の動作を流れるようにこなせるようになることです。



【雪面にエッジを食い込ませる技術】
エッジングはスキー独特の技術であり他の運動などでは体験することが難しい要素なので雪面で練習するほかは習得の手段がない・・・そんなことはありません。あります!
反復横跳びの際に足裏の親指側だけで反復飛びをする練習で出来るような気がします。小指側は接地せずに重心を親指側に集めて横飛びするというかなり高度なテクニックになりますが、たぶんいけます。
我が家のホームゲレンデは2018シーズンまではほぼ志賀高原でした。
志賀高原は上質な柔らかい雪質が特徴でいつもサラサラのパウダー。私のような初心者にとってはこの上なく滑りやすい雪で、サラサラ故に多少エッジングが甘くてもごまかせてしまいます。
スキーを始めてからある程度まではこうした滑りやすい雪で練習することはケガの防止はもちろん、恐怖心や技術習得への心理的ハードルを下げる意味もあります。
ところが、将来アルペンレースを目指すのであればこのまま楽な状態の雪だけで練習を重ねるのは良くありません。ワールドカップなどでみるようなカチカチのコースにおいてもしっかりとしたエッジングが出来なければいけません。


現状ではかなり遅れています。シーズン中にアイスバーン時などにエッジングの集中練習を行っていましたがそれでもまだまだ足りないです。アイスバーンのような状態でもしっかりと荷重をエッジに乗せていけるように習得する必要があります。
ただ、以前はアイスバーンを怖がってロクに滑れなかった娘ですがエッジを鋭く研ぐことでエッジングが前よりも容易になり少しは恐怖心が緩和されたみたいです。若干面倒ですが引き続き適宜エッジ研磨しながらエッジングドリルを行っていこうと思います。

2018/08/22

015. 我が家のスキー計画

娘とスキーを始めるにあたって
いろいろな動画やYoutubeを見るうちに私の中で理想のスキー像、大げさに言えば目的のようなものを考えていったのですが
簡単に言うと娘には 「スパッと素早く滑る」 楽しいターンをして欲しいと思いました。

そこで、我が家の、私個人の勝手なスキーについての大きな目的を明確にしようと考えました。


【目的の設定と共有】
娘が徐々にスキーに慣れはじめた頃から1番大事なこの目的の共有を始めました…
「一番カッコイイスキーはスパッと曲がるターンだよ!」とか、「一番小さくターンするのが難しいんだよ」と、往復の車中やリフトの上でも言い聞かせ続けました。
なので娘はいまだに大回り・小回りの概念というよりかは、大回りするにも小回りするにも滑走スピード次第でターンの大きさが決まってしまいます。仮に50km/hのスピードで滑走していたら、そのときの自分が今できる最小半径が10mとすればその半径でターンするだけなので、それが大回りか小回りかはどうでもいい事になります。つまり、一般的に大回りと言えるような半径20mのターンをするには最低でも80km/h程度のスピードが必要でしょうし、40km/hのスピードなら半径5mくらいでターンして欲しいだけなのです。むろん最小半径でターンが出来るようになればコースに応じて半径を大きくとって流れを重視する事も出来ますし、それが出来ることで滑りの幅が確実に広がるはずです。もちろん、半径15mでターンできるにもかかわらずそうしない時は「だらだらターンしない!」と注意し、逆に限界以上の半径でぎりぎりターン出来た時には「スパッといけた!」と褒めるようにしていました。

スキーについてのこうした大きな目的を娘に植えつけお互いに共有する事をまず始めに行い、それからその目的を達成するために必要と思われる 「戦略的な大枠」 を考えるようにしました。



【 戦略的な練習環境の検討 】
我が家のスキー目的をスキーを娘と共有しつつ、それを実践的に身につけられるためには何をどう行うかという大きな計画が必要ですが
これはハードとソフトに分けて考えました。

ーー ハード部分について ーー
・スキー場について。スキルトレーニングに最適な「雪質が硬くない、フラットで50m以上の幅広、斜度が10〜15度前後、高速リフト、長さ500m程度、そして空いている」ゲレンデを最上とし、2次的にはシーズン券がある、交通の便が良い、宿泊施設が安い、シーズンが長い(標高が高い)という事なども考慮しました。結果としては、志賀高原の奥志賀スキー場に決めましたが、ほぼ奥志賀スキー場しか使わないのに高額な全山シーズン券を買わねばならず、さらに遠すぎる(自宅から300km、片道5時間)ので費用もかなりかさんでしまう結果になっています。次のシーズンからは自宅から200〜250km圏内で片道4時間以内のスキー場に変更して費用を大きく抑えたいと思っています。

・スキー板は、柔らかく反応性に優れ板を撓ませて滑るスキル習得を助けるものを第1条件にしています。ラディウスの小さなものは避け、低学年時は柔らかいGS板で滑りの基本を覚え、次第にSL板や長さやラディウスを状況を見ながら適宜変えていくスタイルとしました。どうしても親心的には少しでも良い板…と価格の高い板を買ってしまいたくなるのですが、価格の高い板ほど硬いものがほとんどなのでこれではスキル習得ができません。

・ブーツは、足首と膝を使って板に働きかける動作を覚えることを唯一の目的とし、それを習得しやすいよう出来るだけ柔らかいフレックスと足裏の自由度を重視しています。やみくもに硬いブーツを選ぶことは足首や膝の自由度を奪ってしまうような気がするので硬いものは避けています。しっかりとしたポジションと体重移動さえできればターン時にブーツの硬さに助けを求めなくとも遠心力に耐えられるはずです。足首、膝、足の裏を自由に使って滑ること、これだけをしっかりと覚えさせています。ブーツも板と同じように高い価格のブーツほど硬いものになるため、硬い立派なブーツを履かせたい気持ちを抑えて低価格な柔らかいブーツを購入するようにしています。

・ランニングコスト的な側面では、移動手段のメインとなる自動車を従来使っていた燃費の良くないガソリン車のワゴンから長距離や山道も快適に移動可能なトルクのある4WDディーゼル車に変更しました。快適さだけでなく燃費向上と軽油のコスト安でダブルにお得になり、結果として大幅な費用低減と運転の快適さにつながり練習回数の増加を後押しする事になりました。毎週の長距離移動なので移動手段にまつわるコストは意外と大事な部分かもしれません。スタッドレスタイヤについても激安のピレリのネット購入ですませているので全体的なランニングコストは相当抑えることができています。

・宿泊についてはコストの高いスキー場至近の宿ではなく多少不便でもコスト安のビジネスホテル(子供添い寝無料!)を利用するなどして費用の節約も行い長期に渡る練習費用を支えられる計画にしました。

・スキー道具についても、現行モデルにはこだわらずに安い型落ちモデルをネットで購入。レースなどに出るわけでもなく、型落ちだからといって性能が激変するわけでもないので目的に合致すれば安いもので十分だと思っています。また、メンテナンスについては特にWAXは最低限のみとして(単純に面倒なだけですが…)滑りが悪い時はエッジだけで滑って!と言うようにしています。

ーー ソフト部分について ーー
大部分が練習方針的なものになるわけですが、未経験だった私たちにはスクールやレッスンといった環境はなかったので全くの白紙から考えました。
スキーターンに必要なスキルを荷重、バランス、エッジング、回転の4つの項目に分けて考え全体の底上げを図りました。娘の体格的な成長やスキル習得状況に合わせてそれぞれの項目の難易度をあげていくのですが、すべての項目の目的を私が把握し、出来れば娘も簡単に理解した状態で練習に入るようにしています。

練習を行う上で唯一の頼みとしていたのはYoutubeですが、まず私が様々な動画を見てその中で一番シンプルなものを練習前日などに娘に見せてから練習に入るというスタイルにしました。口では伝わらないことが多かったので画面で見てから練習する方法はとても有効でした。
また、このような独自のスタイルで始めたため周囲の異なる練習方法に娘が触れないようにも注意しました。我が家の方針が間違っている事のリスクよりも他の方針が混ざることにより娘がブレてしまうリスクを危険視したからです。どの練習方法が正しいのか間違っているのかではなく、統一した方法で進めるメリットを追求することで結果として私自身もスキーについてより真剣に研究するようにもなり、時には他人に任せてしまおうか・・・といった甘え的な部分も取り除かれる結果になりました。

また、スキー方法論的なものは練習の際に知っておいた方がやり方などを伝える際に良いと思われる最低限の基本的な用語(谷側や外脚…といった用語)やターン移動を時計に例える考えかたなどに限定して覚えさせていますが、その他のスキー理論的な部分は一切教えることを避けています。子供の頃は、特に運動においては頭で覚えようとしても理解に時間がかかるうえ、それを実践するのとは別問題ですし、必要最低限の知識で反復練習を行い体で覚えたほうが効率的に早くスキルを習得できると考えたからです。これに応じてスキーの形式的な要素(全体的なポーズや手の位置、視線などの形式的な表面要素)もこれを考慮しないようにしています。ターン運動が最適化されることで自然と1番効率の良い形が現れてくるはずだと考え表面的な見た目のキレイさは求めずただ速いターンを求め、もし表面的に崩れている時には基本としてどのスキルが足りないのか原因を探りそのスキルを深く習得するようにしました。形やポーズそのものを直すのは簡単に見た目が修復できて簡便ですが、実際のターン運動としては根本的には何ら修正されているわけではなく、底にある基本的な運動要素の欠如を直していかない限りそれ以上のスキル習得は目指せないと考えたからです。子供に早く上達して欲しいと望むいっぽうで、周囲に上達した我が子を見て欲しいという親のエゴや自慢的なものから付け焼き刃的に表面だけを取り繕う修正や練習方法はやめて、時間はかかるが実質的なスキル習得が見込め、将来のさらなる伸びしろを期待できる方法をとるようにしました。こうした考えかたは教えていく上での非常に根本的な部分であるとともに、こどもの上達にとって不可欠なものだと思い継続して取り組むように注意しました。




【戦術的な練習方法の検討】
目的と戦略が明確に決まり、残るは実践的なスキル習得へ向けての練習方針をどうするかが大事です。
これについては、先のブログにも述べましたがアメリカのSkillsQuestという練習方法を積極的に取り入れることにしました。
練習の進め方は・・・

①試合・大会 ・・・勉強に置き換えると大会は入学試験(相対評価)

②ポール練習(実践) ・・・大会を模したポール配置で模擬試験(相対・絶対評価)

③ポール練習(基本) ・・・難度の低いポール配置でスキル確認(絶対評価)

④フリー練習 ・・・基礎練習で覚えたスキルを実践・確認(絶対評価)

⑤基礎練習 ・・・基本スキルをドリル形式で習得(絶対評価)

上記のように5つに分けて取り組むことにしました。
全体的な時間配分としては、滑走時間の90%を④⑤の反復練習に費やし、残りを③の基本ポール練習と②の実践ポール練習で確認するサイクル。①の大会は数%程度というイメージです。
④⑤の基本的なスキルは高度に習得次第③の基本ポール練習で確認し規制コースに適応していくルーチンとしスキル評価は習得すべき最高スキルレベルに対する絶対評価で判断していきます。
①②について、特に①についてはスキル習得というよりむしろ習得スキルが相対的に他の選手などに比べてどの程度の水準であるかを確認するだけの機会と考え、優先度は低くできる限り避けるようにします。
練習の組み立て方については以前のブログで紹介しましたが、「成功する練習の法則」に倣って基本の反復練習のみで行います。
さらに細かい戦術的な練習方法としてはSkillsQuestを改良したドリルなど状況に応じたスキルを分割したもので対応していきます。



【現場での実践練習】
SkillsQuestを中心に個々のスキル取得を目指すのですが、各ドリルの意味をしっかり把握した上で行います。この部分が欠けているとその先の全てのプランが台無しになってしまうので非常に大切な部分です。
そして、フリー滑走やスキル習得に際して共通して守るべきルールも決めました。

・荷重および体重移動でターンする(足で板を左右には動かさない)
基本中の基本として板は絶対に動かしてはいけないと教えています。板を動かすのを禁止していたので、特に切り替え局面においては体重移動で次のターンを始めざるを得ず…また、ターン中も体重を移動させながら板にうまく伝えていく事でターンする。

・板はトップからテールまで全部使ってターンする(定速ターンの禁止)
ターン時に板はトップからテールまでを順番に使って加速して滑る。

・スパッとひと筆書きでターンする
全てのスキルはこのターンのための練習である。

主なルールはこんな感じです。

ドリルの際は初めは1つ程度、最大でも3つまでの注意点を与えて念頭に置きながら習得させます。
全てのスキルはスパッといくターンにつなげるためなのでそこに繋がる形で完結するまで習得させるのですが、たとえば片足でターンするスキルの場合は単純に片足で滑るだけでは全く足りず一連のターン動作がスパッと出来るようになるまで…といった感じにしていました。これも形だけ覚えたなんとなくとしての偽スキルではなく運動として完結できているかで評価しするようにしています。


長々と書き連ねましたが
娘とスキーを行なっていく上で上記のようにスキームとして細かく分けて考えるようにし、目的から横道に逸れないように各ポイントで評価することで現状把握と必要なスキルの明確化もし易くなり結果として子供の上達に繋がると信じています。

私は娘にスキーを教えています。
ですが、本当に教えたいことはスキーではなく別の大事な事です。
スポーツへのこうした取り組み方は体を動かすことを除けば勉強のそれと全く同じです。それは将来の仕事への取り組み方とも同じはずですし、人生の生き方そのものもほぼ同じような気がしています。
トライ・アンド・エラーを繰り返し、周りに支えられて自分が成長していける体験を得ていくことが娘の人生にとっての羅針盤になるのであれば親としてこれ以上の幸せはありません。


2018/07/09

014. スキー雑談…その1(荷重)

5歳の2月から始めた娘のスキーも6年が過ぎてしまいました。
振り返ってみると何となく上達はしているのじゃないかと思う反面、1番大事な部分が抜け落ちているようで内心不安でいっぱいなのが本音です。

そこで、今後の方針を自分なりに整理しようと思い、
スキーの技術的な部分を荷重、角付け、回旋、バランスに分けて考えてみました。


【プレッシャー(荷重)】
娘にスキーを教える上でとても参考にしている「Skills Quest」では主にジャンプを多用して荷重のトレーニングを行っています。私もそれに倣って娘には事あるごとにジャンプをさせ続けています。小さい頃のYoutube動画でスタート時にぴょんぴょんと2、3回飛び跳ねるようにしているのはそのためです。足を持ち上げるのではなく、体全体でジャンプできるようにするのが狙いです。
最近は本気でジャンプしようとするので少し怖いのですが…
派生的に足踏みなども織り交ぜてしっかりと荷重を覚えさせているつもりです。
ただ、このようなドリルではドリルの本当の目的を押さえてターンに繋がる重要なスキルの習得をめざしていかないとだめだと思います。

ターンはターン前半に山側へ荷重することで推進力と回転力を得る必要がありますが、基本的な荷重ドリルだけではこの1番大切な部分が足りなくなってしまいます。
私の中でのスキー史上最大のテーマとも言える山側への荷重こそいち早く覚えて小さい時から繰り返し練習するべきと思っていますが、そういう意味では、山側への荷重どころか出来てもせいぜい横への荷重、しかも外足にさえいまだ乗り切れていないうちの娘は、まだ入り口にさえ立てていません…泣

6年生のシーズンでは徹底的にこの練習を行わねばなりません。果てしなく遠そうな気がします…


ところで、昨年に何度かトランポリンを娘に体験させてみました。
トランポリンは足の裏に体重が乗れば乗るほどその反動を使って高く飛ぶことができるのですが、初めの頃は娘は全くと言っていいほど飛べませんでした。怖さもあるのでしょうが、腰が折れてしまうのです。足を動かしてしまったり腰が折れると絶対に高くは飛べません。荷重を覚えるには最適な練習だと気付き以来何度か足を運び、娘もようやく高く飛べるようになってきました。このトランポリンでの高く飛べる重心の習得がスキーの荷重にとって1番大切なポイントだと思っています。いろいろな体勢で飛んでみて、どうすると高く飛べるのか遊び感覚で体験できるのもとてもいい点です。

いい機会だと思い、時々周りの人から言われることがあったターン開始時の「伸ばし荷重」なるものをトランポリンで試してみましたが、メチャクチャ難しかったです。
というかまったく高く飛べませんでした…。
脚を伸ばして着地する瞬間から既に重心にぴたっと決まっていない限り重心がズレてしまい全く高く飛べないのです…そうとう難しいです。脚を伸ばすだけならなんてことはないんですが、荷重できていないのでは全く意味が無くもちろん高くは飛べません…。荷重は足が地面に着いていればいいというものではなく上半身の体重がしっかりと乗っているかどうかにかかっているからです。
本当に荷重しきったままこれをスキーターン開始時に出来る人は、やっぱりオリンピックレベルじゃないと無理なように思えました。脚を伸ばしつつもしっかりと荷重しターンを行っているのはオリンピック選手以外あり得ないんじゃないか・・・
違いました。そもそもの解釈が間違っていました。この「伸ばし荷重」はターンの瞬間に脚を伸ばす、のではなく。ターンに入る直前に脚を伸ばし切り、その体勢で山側に荷重していくのです。これであれば、練習を重ねれば出来るようになるはずです。瞬間的に脚を伸ばした後に板に荷重できていればいいのですから。
伸ばし荷重と聞いて私は、ターンの瞬間に伸ばすのだと勝手に思い込んでいましたが、そうではありませんでした。ショートターンなどで抱え込み切り替え時に脚を伸ばしながら荷重する・・・のではなく、瞬間的に脚を伸ばしその状態で荷重するのが正解のような気がします。見た目にはわずかな時間のズレでしかないのですが、運動的には全く違う効果になってしまうので、この差は大きいと思います。


話がそれましたが、トランポリンでは上半身の体重全てを腰に乗せて、その体重を足の裏に乗せるイメージですが、高く飛ぶには腰から上は絶対にブレないようにする練習(というか、ただ飛んでいるだけでしたが…)をひたすらしていました。高く飛べる=出来てる!ですのでシンプルで意外と楽しいです。
腰に上手く体重を乗せられるようになって、しかもその上半身の体重を足裏にしっかりと伝えられるようになれば荷重という意味をばっちり覚えられる気がします。娘は去年のトランポリンでコツをつかんだおかげでシーズン後半に少しだけ腰で乗れるようになりましたが、とても大きな収穫でした。
ちなみに、娘に荷重を体のドコに感じるか聞いたところ、股関節ではなく腰の奥・・・という謎めいた答えが返ってきました。具体的には背骨と骨盤が繋がる部分付近で両脚からの圧力を感じている・・・らしいです。そして、その部分と板までが上手く繋がると板が良くしなってギュイーンっと走るらしいです・・・。

とにかく、荷重習得に繋がるかもしれない?…トランポリンあなどれません!


2017/10/03

013. 我が家のオフトレ

早いところでは11月後半から始まるスキーシーズン。
ですが、その期間は長くても半年余り…
そうなると、スキーバカな我が家にとっては残りの期間をどのように過ごすのかは結構大事な問題だったりします。
そこで、いままでやってみたすぐできる自己流オフトレの数々を紹介してみたいと思います。全く参考になるとは思えませんがおすすめ度を★で表示してみます…

1. インラインスケート ★★★
「オフトレ」をしてみよう!と考えて真っ先に思いついたのがこれ。
昔流行った靴の下にはめる4輪のローラースケートを想像していましたが、最近のは凄かったです。アイススケートのように一直線に並んだローラーはまさにスケートそのもので、転がる抵抗が全然ないので怖くて怖くて…
やり始めて1週間ほどで、私はともかく娘が慣れてきたので早速オフトレを始めてみました。
インラインをしてみて思ったのは、
・レーシングのスタート時に見るあのスタート手順が練習できそう?
・マンホール程度の半径をクルっと小回りすることで、スキーターンの運動を覚えるのに役立ちそう?の2点。
結局この2つばかりをやっていました。マンホールターンは、その辺の人気のない道路に八の字が出来る程度に間隔が開いた2つのマンホールを見つけて、そのマンホールの周りを八の字にギュンギュンと回る練習を結構やっていました。等速ターンではなくターン時に加速するかのようにターンする。特にターン後半に踵に乗ってビュンっと飛ぶように!といつも言っていました。

2. ブレボー? ★★★★
子供達の間で「ブレボー」なる謎の乗り物が流行っていて、娘も欲しがっていたので買ってみました…。ほとんどの友達は足をちょこちょこ動かして進んでいくのですが、それでは何もオフトレ効果が無いような気がして、娘には足ちょこちょこ動かすの禁止!と言って体重移動で動きなさいと言っておきました。今では体重移動でギュンっとターンをするようになっています。スキーのターンを覚えるのに直接は関係なさそうですが、インラインと同じく「ターンをギュンっと回る」「足を動かさずとも体重移動で回れる」という事を覚えるのにとても良い気がしています。

3. サマーゲレンデ ★★
避暑も兼ねて丸沼高原に2回ほど行きました。板とブーツは使わなくなったものを持って行き、服装はいつもの普段着長袖な感じです。
涼しいところへ行くのがとても気持ちがいいですが、意外とお金がかかります。
スキーの練習になるのか?という点では、いろいろ意見があると思いますが、道具が同じにもかかわらずあまり効果はなさそうに思いました。
というのは、ほぼズラせないので恐怖心が先にたってしまいその恐怖心故に内脚で滑るようになってしまうのがとても悪影響な気がします。スキー板とブーツという形は同じでもこれでは真逆の効果しか得られません。ものちろんものすごく上達すれば外脚に乗り切ってスパッとターンできるかもしれませんが、そこに行くまでの費用対効果やケガのリスクを考えるとこれにこだわる必要が見出せませんでした。なので…それっきり行かなくなりました。

4. グラススキー ★
山梨県にある都留サンパークというところへ数回行きました。
こちらもブーツを履けるという点でスキー感を味わえましたが、サマーゲレンデと同じようにビュンというスキーターンを練習したいという意味では我が家の方向性とは少し違っていたので今では行かなくなってしまいました。

5. 斜め前への反復横跳び ★★★
娘が体力テストで反復横跳びが意外にも得意だったので、それじゃあと反復横跳びを応用したなんちゃって練習を考えてみました。
反復横跳びを斜め前へ飛び続ける。それだけです。
この時、外足に体重をかければかけるほど反対方向へ飛べるのですが、それをスキーターンの外足荷重を覚えさせるのに使っていました。また、逆に極端に内足を使わせて横跳びをさせてみたりして外足荷重の重要性を覚えさせていました。左に行きたかったら右に一杯体重を乗せるという事を毎回のように言っていた気がします。

6. ブランコ ★★★
ブランコで大きく漕ぐには、手前に来た時に足を下に延ばし、最下点に来た時にこんどはお尻のやや後方に体重をのせるようにするとギュイーンっと高くブランコを漕げますが、これをスキーのターンに例えていました。ブランコは垂直方向に運動しますが、それを水平方向に置き換えさせ、手前で足を伸ばす時はスキーターンの導入時、最下点過ぎにお尻後方に荷重を乗せる時はスキーターンの出口あたりの加速…そんな感じで娘に説明していた気がします。
我が家が勝手に考えている一番避けたいスキーのターンは等速度ターンなのですが、ブランコでは動かずにただ座り続けている状態と同じです。ポジションもど真ん中のままです。足先からお尻後方まで荷重ポイントを移動させるターンを覚えて欲しいです。

7. 芝生の坂で自転車スラローム ★★★★★
芝生(じゃなくてもいいのですが、怪我のリスクが少ない芝生がおすすめです)のなだらかな斜面があれば、そこで自転車で下りながらスラロームをするのがとても良い練習になります。
ハンドルは最低限しか使わず出来る限り体重移動で曲がるのですが、ターン終わりに体重を自転車よりも谷川に投げ出さないと次のターンができず結果としてハンドルを使ってしまいます。このことに気をつけて練習するとスキーの切り替えの練習にとても役立ちます。ヒラヒラ舞い降りてくるような感じで坂を下ってこれればいいと思います。

8. ドライブ ★★
スキー場へ向かう道中で上信越自動車道を走るのですが、山道の曲がりくねった道が多くそこを走っている時に車のタイヤをスキーに見立てて娘にターンの仕組みを話したりしています。カーブを曲がる時には必ず外側のタイヤに荷重が集まりそれが普通であることや、内側のタイヤでカーブを曲がる(内足でターンする)ことには無理があること。外側のタイヤだけではやがて限界がくるので内側のタイヤにも荷重を分散して曲がる方が安全に曲がれる、前タイヤはスキー板のトップ部分と同じ役割で方向を決めやすく逆に後ろタイヤつまり板のテールでは方向を変えにくく結果としてスピードを落とす必要がある・・・といった話を最近ではよくしています。
また、自転車に乗っている時にも、ハンドルで曲がるのはスキー板を動かしてターンするのと同じで、自転車全部を使って曲がるのは体重移動でターンするスキーと同じ、というような事も言っていました・・・まあ、イメージみたいなものですが、要は体重移動でターンしてほしいという意味です。


様々なオフトレを試してみた結果・・・
我が家の目的であるスパッとターンに繋がるものならスキー道具を使ったり、似たような形のトレーニングにこだわる必要が無いことがわかりました。
オフ期間に行われるスキー板やブーツを使ったトレーニング、または現在広く行われている一般的なスキーオフトレは、我が家の求めるターンとは似て非なる運動であることがほとんどでむしろ悪い効果をもたらすような気さえします。ターン習得に必要なのは板でもブーツといった外見的なものではなく荷重や重心移動、遠心力といった一般的な遊びや運動にも含まれる要素なので見た目がスキーに近いものである必要性は無く、逆に日常にあふれている他の運動や遊びの中にターンと同じ要素を見出せればそれらをオフトレとして行う方がよほど効率的に思えます…。

今年は結局オフトレらしきものは何もしていませんが、タダで毎日のように遊べるブレボーやブランコで少しづつ覚えていってくれていたらなぁと祈っています。

2017/09/14

012. スキーと自転車

スキーを始めてからずっと気になっていたことのひとつが
「ポジション」。
よく、スキーの真上に斜面に垂直に立って滑り続けるのが一番大切と言われていて、私もそう思っていました。

娘とスキーを始める前に私は、
ゲレンデを自転車で駆け降りるいわゆるダウンヒルという自転車遊びに夢中になっていた頃がありました。
長野県の富士見パノラマスキー場は夏場にゲレンデや林間コースを自転車コースとして開放し、さながらダウンヒルの聖地といった感じで多くの自転車好きが集まります。

コースには曲がりくねったヘヤピンカーブや恐ろしいほどスピードが出る直線やジャンプがあり、自転車を走らせるあらゆるテクニックが必要です。
もちろん私はスピードも出せない上に、ヘヤピンも上手く曲がれませんでしたが…

仲間のひとりにコーナーリングがとても上手な友人がいたので、彼の走りを真似しようと置いていかれないよう後ろをよく必死に走っていました。何度か彼の後ろを走るうちに自転車捌きが私と全く違う事に気がつきました。
うまく表現できませんが、彼はコーナーというコーナー全てで頻繁に「前後」に動いていたのです。
体重の重い私は直線でなんとか追いつけますが、コーナーの度に離されていた私はブレーキを掛けることと左右に動くことしかしていませんでした…

走り終えてから彼にその事を聞いてみたところ、
「確かに前後に動いているかもしれない」と笑っていましたが、
「意外とスキーの練習にもなるんだよね!」と突然スキーの話を始めました。
今ならばなるほど、と少しは思ったのかもしれないのですが、当時はまるっきりわかりませんでした…。


自転車を乗る時、皆さんはどうやって乗っていますか?
走り出す時にはペダルを漕いで、曲がりたい時にはハンドルや自転車そのものを傾けて曲がる。
少し上手になってくると、自転車の傾きだけで簡単に曲がってしまう人もいます。
でも身体はサドルに預けたまま
この時「ポジション」はど真ん中のままです。

いっぽう、あの彼の走りはというと
ど真ん中のサドルには一瞬たりとも体を預けず、素早く小刻みに、けれども確実に体を前後左右に動かし続けていました。
左右に動くのはなんとなく理解できます。
しかし、前後に体重移動していたのには驚きでした。

どっしりとサドルに全体重を任せている私の自転車とは対照的に、ヘヤピンカーブで一瞬ゆっくりになったかと思いきやビュンッとコーナー出口でもの凄い加速をして次のコーナーへ消えて行ってしまう…
それが前後に体重移動する彼の走りでした。


スキーを始めてから、娘と一緒にターンの練習をする時は娘には何かしらテーマを決めて目標みたいな事を言うようにしています。
スキーを始めた頃は、ひたすら板を踏んで!と言い、
小学生になった頃は、外板に体重を目一杯乗せて!も加え、
3年生になった頃は、ターンの最後にはビュンって行って!と加え、
4年生になった頃は、前後運動を使って曲がって!と。
TOPから順番にテールまで板を使ってビュンって曲がって!と、もう毎回のように言うようになりました。
そして、絶対にターン開始から終わりまで同じスピードで曲がらないこと!を徹底して言っています。
自転車の彼の走りは、きっとスキーのターンにも応用できるはずだと信じ…。
私の下手くそな自転車のようにはなって欲しくないからです。

自転車の彼のようにスパッとターンを終わらせて、次のターンへ真っしぐら…
いつの日か娘にはそんなターンが出来るようになって欲しいです。

2017/04/10

011. スキーを始めた日のその後・・・

リフトを2回ほど乗っただけであっけなく終了してしまったスキー企画…
時間にして2時間くらいだろうか
酷寒の吹雪の中でよく耐えてくれた娘に感謝しつつ
あっという間に終わっちゃった…と、若干寂しい気持ちもありました


用意するのはダラダラ2時間近くかけていた娘が…
撤収作業は早い事!

そんなにイヤだったんだなぁ~
としみじみ


午後3時くらいには山を下りて
ご飯を食べたり
ブラブラしながら磐越自動車道に乗って
帰路に…

高速料金が上限1000円の時だったので
貧乏丸出しで遠くに来過ぎてしまった
千葉まで5時間ほど
高速のサービスエリアなどにもちょくちょく立ち寄って
名残惜しんでいたら

奇跡が起こりました!
「もう一回スキーやってみようかな…」
と、娘が突然言い出したのです。

こうして
急遽次の日曜日もスキーに行くことに!
その時はまだ福島県内を走っていたので
急いで地図を見て…
サービスエリアでもらったスキーパンフレットのようなもので探すと

高畑スキー場
というスキーオンリーのところを発見
翌日はそこに向かうことになりました

白河で高速を降りて
近くの銭湯に行き疲れた体を癒しつつ
腹ごしらえと食料の買い出し
もちろん
車で寝るためです

こうして娘と私の2回目のスキーがはじまりました…

2016/10/30

010. スキーを始めた日

そういうわけで
娘とスキーを始めた訳です


まずは
買い物!

これが一番楽しかったぁ
色んなサイトを見て回ったり
お茶の水のスキー街に出掛けて
娘と私のウェアを買って

スキー企画が3日で終わっても大丈夫なように
スキー板、ブーツ、ストックなどの道具類は
激安品をヤフオクでゲット
娘の板なんて
数十年前の化石のような真っすぐな130cmの板…
もちろん先っぽは尖ってます

一応準備は完了し
当時乗っていたステーションワゴンの後部座席を取り外して
荷台を真っ平にし
これまた3980円で買った怪しい寝袋まで用意して
車中泊でレッツゴー

高速道路1000円乗り放題なのをいいことに
これまた知りもしない何となく雪が良さそうで寒そうな
福島県の猫魔スキー場へ向かいました
確か、夜の9時くらいに…

猫魔スキー場に着いたのはたぶん午前2時くらいでしょうか
猛烈吹雪の中でどこが駐車場なのかもよくわからず
止めてあった他の車の隣に駐車
娘は既に寝袋にくるまって寝ていたので
すぐさま寝袋に入って就寝…

翌朝
忘れもしない…
記念すべき初スキーの裏磐梯猫魔スキー場
での娘の人生で初めてのスキー
2012年2月18日

天気は嵐…



【天気概況】
今冬一の強い寒波で、日本海側は九州から北海道まで雪。
鹿児島も今冬9日目の雪。午後9時までの24時間に降った雪は、長野県野沢温泉が57センチ、新潟県津南で50センチ。
全国的に風が強まり最大瞬間風速は秋田21.4メートル、仙台20.7メートル。



典型的な
西高東低の気圧配置!
大荒れも大荒れ…
超絶吹雪の本日デビューの我々には全く嬉しくない膝上のふっかふかパウダー


すでに帰りたい気持ちをこらえて
猫魔スキー場へ突入
そこからゲレンデまでどうやってたどり着いたのかは記憶にありませんが
もっさもさの雪の中を
娘と二人でもがいていた記憶が…
センターハウス?を出て左側にあった超緩斜面のリフトまでたどり着くのが精一杯
あまりの寒さと過酷な状況にぎゃーぎゃー泣き出す娘…
それでもなんとかそのリフトに2回ほど乗って
超緩斜面のモサモサ雪を滑れないのでブルドーザーさながらに除雪しながら歩いた吹雪の日…
そして
娘から一言
「もう帰りたい…」

私もそれ以上滑ろうという気にはなれませんでした







016. スキー雑談…その2(エッジング・角付け)

今日は【エッジング(角付け)】について… エッジングを考える時は2つの重要な点があると思っています。 1つ目は、【雪面にエッジを食い込ませエッジを使いこなす技術】 これは言い換えると、まず覚えなければならない大前提の技術と言えるかもしれません。 エッジングとはこうい...